人事の仕事はただ間違えずに事務処理を行うこと、と思っている人はいないだろうか?
特に給与計算や勤怠管理を行なっている担当者は、毎月同じことの繰り返しで、それをミスなくこなすことこそ重要だと思っている人もいるかもしれない。
私も人事という仕事を始めて6年位で、やっと情報を集めることの重要性に気づいた。特にこのコロナというパンデミックが起こって、それによって気づかされたという側面が強い。
人事の仕事に携わっている人には、是非情報を集めることの重要性をもっと知って欲しいと思っている。
法改正情報を集める
人事に関わる法律は、本当に日々改正されている。労働基準法や健康保険法など、様々な法律だ。その中でも昨今は、ワークライフバランスを整えるための法改正が多い。
こういった変化の中で、私達人事は常に法改正に合わせて就業規則を変えたり、業務内容を見直したりしなければならない。
この法改正の情報を掴むかどうかで、人事の仕事というのはだいぶ変わる。
多くの人事担当者が、給与のシステム会社から法改正の通知が来たから、対応しなきゃな〜とか、なんか上の人が制度を変えるって言ってるから社内通知とかしなきゃな〜とか、その程度の認識で動いていると思う。
ただこのように受動的に末端部分の情報を受け取り、対応しているだけでは、ただの事務作業をしているだけでしかない。
その末端に来るまでの大元の上流の部分を理解しないと、人事としていい仕事はできない。その上流部分が法改正である。
多くの人事制度の変更は、法律が改正されたから変更せざるを得なくなったり、労働基準監督署などの調査でこの仕事のやり方が法的に問題だと指摘されて変更せざるを得なくなるパターンがほとんどだ。
つまり人事の仕事の大元は法律なのである。
この法律がどう変わるかを事前に情報として知っていると、今の仕事の部分がどう変わるか、どう変えていかなければならないかを事前に予測することができる。
これは未来に来る仕事が予測できるということだし、事前に知っていれば先に上司などに相談して、自分のやりたい方向へ仕事の方向性を変えることもできる。
例えば、年末調整のやり方を変更する法改正があれば、事前にその内容を資料にまとめて社員に案内することで、年末調整時の問い合わせを減らすことができるかもしれない。
このように法改正の情報を掴むのは、人事の仕事をする上でとても重要なのだが、どこで収集すればいいかわからないという人もいるだろう。その時は以下のサイトを参考にしてみて欲しい。このサイトの最新業界情報の部分を見ておけばまず間違いないだろう。
PSRnetwork(社労士事務所の全国ネットワーク):https://www.psrn.jp
人事という業界のトレンドを掴む
次に、法改正だけではなく人事の業界のトレンドにも詳しくならなければならない。
それは社会保険の電子申請が一部義務化となり、新しく電子申請システムを導入しようと考える時などが良い例だ。
そもそも社保の電子申請システムを導入するのか、それとも今流行りのSmartHRのような入社時の書類回収から電子で回収し、それをシステム上で社保申請できるシステムにするのかなど、こういうことは事前に業界のトレンドを知らないと検討段階でつまずく。
システムを導入してみたはいいが、実は今現在はもっといいやり方のシステムが流行っていて、導入した後に気づいて後悔するなどしてしまったら目も当てられない。
昨今ではテレワークの流行りもそうだし、そういった業界のトレンド、世の中の他の企業はどういったやり方をしているのか、どういったシステムが存在しているのか、そういうものを知っておく必要がある。
もしかしたら、今はマンパワーで時間をかけてやっている仕事でも、システムを導入すれば安いコストで少ない労働時間で済むように改善ができるかもしれない。
こういった業界のトレンドは、各種大手の人事ソフトメーカーなどが、ポータルサイトを運営していたりするので、そういったサイトを参考にすると良い。あとは、ひとつのメーカーのサイトだけでは情報が偏ってしまうので、いくつかのサイトを定期的に見てみるといいと思う。
私が見ていてわかりやすいと思ったサイトをひとつ下に貼っておく。
打刻ファースト(ハーモス勤怠が運営する人事労務メディア):https://www.ieyasu.co/media/
世の中全体の流れを掴む
正直若い人はここまで考える必要はない。ただここまでできてると仕事の幅が広がるので、是非やってみて欲しい。
特にコロナが流行り初めてからは、時代の流れがものすごく速くなっている。この時代に合わせて、仕事をしていくのはマストだと思っている。
では世の中の全体の流れを掴むとはどういうことなのか?
例えばコロナで小学校が最初に休校になると聞いた時皆さんは何を考えただろか?この時人事として考えるのは、子どもがいる女性社員は果たして会社に来れるのか?ということだ。そして、有休で対応させるのか、それとも違う方法をとるのか会社としての方向性を早めに考えねばならない。
採用の場合であれば、コロナ禍で飲食業界や観光業界で退職する人が相次いでいるので、その退職者をターゲットにした、採用ページを作成するなどだ。
このように世の中の流れを掴み、その情報を人事の仕事に活かすということができれば、なかなかの仕事の能力と言えるだろう。
まとめ
1.法改正情報を集める
2.人事という業界のトレンドを掴む
3.世の中全体の流れを掴む
この3つの情報を収集することは、人事という仕事の幅や広くしたり、深くしたりする。目の前の仕事をこなすだけではなく、是非とも情報の収集も仕事の一環として実行していって欲しい。