会社の中でも1番重要な部署は人事部、特に採用だと言われることがある。
それはなぜなのか?
人事として5年以上働いている私の経験からお話ししたい。
採用した人間は簡単には解雇できない
よく勘違いをしている人がいるが、会社で直接雇用で採用した人、これはアルバイトや契約社員も含むが、直接雇用者については法律上簡単に解雇することはできない。
もしアルバイトなどを解雇したい場合、客観的に見て解雇する事由がなければ、契約期間が決まってたとしても、継続的に働いて貰ってた場合は解雇できないのだ。
例えば、仕事ができないから解雇したいと言っても、「仕事ができない」というのは正当な理由にはならず、お客様に暴言を吐くなどの問題行動があって、それについて再三注意して、それでも治らない場合などに初めて解雇という言葉が出てくる。
もし仕事ができないことを理由として解雇されてしまった場合、そのことについて労働者から裁判を起こされてしまったら、負けるのは会社側になってしまう。
そのようなリスクを回避するため、会社側は労働者を不当に解雇はできない。
よくテレビで雇い止めという問題が取り上げられるが、それに当てはまってしまう。
つまり、仕事ができなくても、一度雇ってしまった人は辞めさせることはできないのだ。
問題社員は組織を圧迫する
仕事ができない人や変な人が部署に入ってきた場合、その部署の仕事量が増えるし、モチベーションも下がる。
仕事を任せられないし、仕事をいちいち指導しなければいけないという手間が発生するからだ。そして、もし部署のデスクに空きがない場合、さらに人を増やすことが物理的にできなくなるため、その部署の業務を圧迫する。
また問題社員というのは、自己主張が激しい場合が多く、自分の仕事があるにも関わらず急に休んだり、他部署やお客様に対して失礼な対応をした結果、そのクレームが同部署の別の人に来るということが発生する。
さらには、同部署の人に対して主張をしてくるので、その対応に追われて仕事が増えることも多い。
内部に敵がいると物事が進まない
同じ部署に変な人がいると、組織内で意見が食い違い、方向性の統一ができなくなり、その組織の機能が低下してしまう。
外部の的に対処するならまだしも、内部に敵がいる場合は、仕事が回らなくなる可能性も高いのだ。
入れた社員で会社のカラーが決まる
会社というものは、人がたくさん集まってできた組織だ。
そして、その一人一人は採用をした人が、積み重なって1つの集団となったものである。
つまり、同じようなタイプを入れ続ければ、会社はそのタイプの人たちが多くなり、そのタイプの社風になっていく。
会社が社風の方向性を決めている部分はあるものの、新しく入った世代が社風を作っていく場合も多い。
例えば、部活の一年生にとんでもない大型ルーキーが入ってきたら、それだけで部活の雰囲気が変わってしまうというのはあることだろう。
それと一緒で、会社も入った人次第で、全くといっていいほど、変わっていく。
まとめ
①採用した人間は簡単には解雇できない
②問題社員は組織を圧迫する
③内部に敵がいると物事が進まない
④入れた社員で会社のカラーが決まる
このように採用というのは、会社という組織をかたちづくる根幹と言ってもいい。
これがうまく回らないと、だんだんと利益を生む部署が機能不全を起こし、会社の業績自体を下げることにもつながる。
読んでいる方がどのような立場の人かはわからないが、採用に携わっている方なのであれば、こういうことを意識して働くと、もう少しモチベーションを高く持って仕事をできるのではないかと思う。